新卒採用支援の仕事を始めてから約10年。総合商社、ディベロッパー、外銀、外コン、メーカー、メガバンク、ITベンチャーなど、様々な企業の採用支援を行なっています。
その中で、ある傾向があります。
「大手企業/人気企業であればあるほど、採用の成果報酬に頼る企業が少ない」ということです。
不人気企業、ベンチャーにありがちな、成果報酬型採用一辺倒
営業に行く際に、「うちの会社は成果報酬でしか採用を行いません。」という企業が多く存在していることに気づきます。
架電の割合でいうと、約25%程度の会社がそのような採用を行なっているということです。
ですがこの成果報酬では、本当にいい学生を採用することはできません。
先日お話しを聞いた企業では、「年間採用人数が3〜4人程度で、成果報酬金額が50~70万円でしかできません。昨年度は年間1,000人程度にお会いして、本当にいい学生を2名採用することができました。」ということをおっしゃっていました。(企業規模人数200名程度、売り上げ400億円規模の財務上優良一部上場企業です。)
こちら、採用支援を行う側としては、正直なところ最も相手にしたくない企業であると言えます。
理由は簡単で、何名紹介しても売り上げに結びつかないことが明白であるからです。
理由として、
・採用支援(集客代行)を行う我々として、学生の皆さんに全く無名の会社を紹介することは自社のディスブランディングになる
・採用までのパーセンテージが低く、徒労に終わる可能性が非常に高い
・要件に見合う学生を探すことで工数がかかってしまう
などが挙げられます。
もし前金を頂いて内定が出るまでサポートを行うということであれば多少は支援を行える可能性がありますが、基本的には断ります。(よほど体力がある会社が支援しているのだと思います。)
学生に会うにはコスト(人的/お金)がかかる。
一般的に、学生に会うためには、
・東大、京大、東工大、一橋、旧帝大:1名20,000円程度
・早慶上智同志社など:1名15,000円程度
・マーチクラス:1名10,000円程度
・日東駒専以下:1名5,000円〜10,000円
という値付けがされていることが多いです。さらに出現率が低い、エンジニア、機電系、理系、女性、体育会など個別に金額がプラスされます。
集客側としては、そういった学生の母集団形成、関係性作りにマンパワーとお金をかけており、少しでも人気の企業、その学生が行きたいと思う企業に優先的に紹介を実施して行きます。(もちろんその学生に合うと思った知名度が低い企業も紹介していきます。)
その中で、企業からの要望として、「自社の業界を見ていない学生に会いたい」というオーダーをもらった際や、ベンチャー企業からの送客の要望があった際に、学生に依頼をする形でイベントへの誘いを行うのです。
関係性があまり築けていない学生に対しては、ここでベンチャーや見ていない業界の企業を紹介しすぎるとマイナスイメージを持たれてしまうことがあります。
そのため、どの学生にどの企業を紹介するかどうか慎重に考えながら紹介を行なっているのです。
という中で、あまり学生に認知度がない企業が成果報酬にのみ頼っていると、集客候補の中でも最も後回しにされた学生が送客されてくる。という現象が起こります。(もしくは、送客が一人もされない)なぜなら売り上げに繋がらず、学生からもマイナスイメージを持たれてしまうことが予想されるからです。
その結果、質が低い母集団の中で、かろうじていいと思える学生を採用することになるのです。
成果報酬にのみ頼っている企業は採用を見直すべき
成果報酬にのみ頼っている企業は、本当にいい学生を採用したいと思うのであれば、イニシャルコストがかかる前提で、採用の計画見直しを行う必要があります。
・成果報酬で採用する人材と、コストをかける人材を分けて行う
・成果報酬の費用をあげることで、優秀な人材を送るインセンティブをつける
・質が低い母集団の中で採用していことを自覚して継続する
・金銭的コストをかけずに、人的コスト(社員の協力)を最大限活かす
・採用にコストをかけられないのであれば新卒採用をしない
この辺りの対策が考えられます。
もし1,000人規模で人に会って2~3名しないといけないということであれば、成果報酬の単価を数百万円にすることで、優秀な人材が送られてくる可能性が出てきます。少なくとも、私の会社や友人が勤める会社ではそのような話をしています。
できれば、リクルート社の様に、1名の候補者に対してメンター代わりの採用担当がつき、面談をしながらどういった選考の対策をするかなどを見る体制を整えることができれば、より採用の確率も高まると言えます。こうすることで、友人を紹介してもらうなど、金銭的コストをかけずに採用することもある程度可能です。
もし、その様に採用に人手を割けないという企業は、イニシャルのコストを上げるかわりに自社にマッチする学生を送客してくれる採用支援サービスを探した方がいいでしょう。実際のところ、いい学生を採用するためには、人的コストをかけるか、金銭的コストをかけるか、どちらかしかありません。
人気企業であればあるほど接点を持つことにお金をかけている
そして、それを実際に行なっているリクルートは実際に優秀な学生の採用に成功しています。
さらに実は総合商社でさえ、自社で集める以外に採用支援事業のサービスを利用して、優秀層との接点をとっているのです。いずれも、イニシャルで料金を払い、接点を持つことを最優先にしています。
イニシャルでお金を払って頂くことができるからこそ、採用支援事業者は、できるだけ優秀な人材をどうにかして一人でも多く接点を持ってもらうことに注力するのです。
不人気の企業、知名度の低い会社であればあるほど、一人でも多くの学生に会い、ジャッジを行うこと。会った学生に少しでもいい会社だと思ってもらうこと。これをしっかり続けることでしか優秀な学生を採用する方法はありません。
(学生に会うための方法はなんでもOKです。焼肉でも、飲み会でも、OB訪問でも、なんでもいいから学生にあって、ジャッジをして頂ければと思います。)
この辺りは、元リクルートの人事部ゼネラルマネージャー:曽和利光氏がまとめています。
採用担当であればこちらの著書、経営者であれば、こちらの著書を参考にして頂けるといいと思います。
ぜひ少しでも皆さんの採用のお役に立てると幸いです。
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